体温管理

A-1グループ (赤ペンコメント:手術看護認定看護師 飯塚由記)

人体の血管を捉えたアセスメントや皮膚を触るなどのフィジカルアセスメント!こういったディスカッション刺激的でした。

A-2グループ (赤ペンコメント:手術看護認定看護師 飯塚由記)

皆様お疲れ様でした。一緒に考えることができて刺激となりました!

「手術看護における体温管理について」手術看護認定看護師 飯塚 由記)

プレウォーミング勉強会の様子(ベアポーズを着用して:水戸医療センター)

グループワークに参加された皆様、お疲れ様でした!事例を通し有意義なディスカッションとなりました。

今回の事例から特徴的だった「高齢者」に関する体温管理や、参加者の方々からでた「プレウォーミング」について少しだけ解説をさせていただきます。

高齢者の体温調整に関する特徴

高齢者の生理機能は加齢とともに低下します。熱刺激に対し汗をかきにくく、かつ皮膚血流の増加が少ないために、熱放散が十分に行われないので熱中症を期待やすいとも言われています。また寒い時の反応も低下しており低体温にも陥りやすいのが特徴です。麻酔薬ではもともと体温調節中枢を抑制したり、体温調節性の血管収縮を抑制するため、再分布性低体温を引き起こします。高齢者では生理学的適応能力の減弱に加え、麻酔薬の影響が大きく影響し麻酔中はさらに変温性になると考えられます。全身麻酔を行うと、温度調節性の血管収縮作用が減弱している高齢者は体温の低下が著しくみられます。だからこそ、若年者以上に体温管理を厳密に行う必要があるのです。

輸液剤の加温、温風加温装置等による加温、アミノ酸製剤、プレウォーミングなどを積極的に行いましょう。温風加温装置を使用する際は皮膚の観察も忘れずに(^^)

因みにシバリングですが、小児や高齢者は成人に比べて起こりづらいので注意が必要です。

 

プレウォーミング(術前加温)について

麻酔による再分布性の低体温予防の目的で、手術室入室前の病棟から、もしくは手術室に入室後すぐに加温することは有用です。加温の方法は色々ありますが、術前患者さんが寒くないように暖かい服装でいたり、寒くない服装で歩いて手術室へ入室することも有用です。写真のようなガウンタイプの加温用ブランケットもあります。また入室後に患者さんが寝る手術ベッドを温風式加温装置で温めることによって、手術台への患者体温の伝導を防ぐこともできます。